この秋に新しくなったメディアシアターを会場に、2018年1月に続き上映会を催します。ひとつは、病院や学校、百貨店など、アメリカはおろか現代社会を浮き彫りにするドキュメンタリー映画の巨匠、フレデリック・ワイズマンによる『ボクシング・ジム』。もうひとつは、自然界の色や光と人間の知覚に働きかける作品で世界的に著名な芸術家、オラファー・エリアソンに迫る『オラファー・エリアソン 視覚と知覚』です。地域コミュニティと人々の振る舞い、創作と協働、そして、世界を観察することといった視点から、各学部の学生・教職員問わず興味深い発見がある映画です。
日時:2018年12月14日(金) 15:00/18:00
会場:宮城大学 大和キャンパス 本部棟2階メディアシアター(宮城県黒川郡大和町学苑1-1)
入場無料
主催:MYU Cinema Days プロジェクト
共催:C-IAM(College of Incubative Art Management/平成30年度文化庁大学を活用した文化芸術推進事業)
作品提供:一般社団法人コミュニティシネマセンター、フィッカ
問い合わせ:ogawan@myu.ac.jp(事業構想学部/学術情報センター:小川)
上映作品
15:00 –
ボクシング・ジム
監督:フレデリック・ワイズマン/91分/アメリカ/2010年/英語(日本語字幕)
アメリカ・テキサス州にあるボクシング・ジム。プロボクサーも健康志向のビジネスマンも、大人も子どもも、そして、白人も黒人も、ごく普通の人々がごく普通に振る舞っているにすぎないにも関わらず、人間のるつぼであるアメリカを象徴すると同時に、現代社会の一面を垣間見ることができる。
監督のフレデリック・ワイズマン(1930年-/アメリカ)は、弁護士としてキャリアをはじめながら、精神病院を扱った『チチカット・フォーリーズ』(1963年)を撮り、その後も、『高校』『病院』『動物園』『公共住宅』など、現代社会にありふれた施設や組織を“主人公”として、そこでの仕事や振る舞いを活写することで有名な映画作家。彼は「我々はすべて自分自身を演じることができるし、また常に演じ続けている」と語る。
*「映像デザイン」の一環として、上映前後に受講生向けの解説等を行います。
18:00 –
オラファー・エリアソン 視覚と知覚
監督:ヘンリク・ルンデ、ヤコブ・イェルゲンセン/77分/デンマーク/2009年/英語、デンマーク語(日本語字幕)
オラファー・エリアソン(1967年-)は、デンマーク生まれで世界的に著名な芸術家。ロンドンのテート・モダンに人口の太陽を出現させた「The Weather Project」(2003年/イギリス)ほか、世界各国で、光や水、霧など自然界の要素と人間の認知を組み合わせたインスタレーション作品を発表している。映画は、2008年にニューヨークで手がけた巨大な滝のインスタレーションの制作過程や、大勢のスタッフがいるスタジオでの創作の様子を追っていくほか、彼の芸術論や故郷にについての思いをカメラに収めていく。「スタジオは“なぜ?”を歓迎すべき場だと思う。たとえ成果が何もなかったとしても、疑問が未知の世界へ導くこともあるからね」(映画中での言葉)。
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