光たちの時間

メディアデザイン演習C

私たちの作品のテーマは「光」です。光を通して時間の相対性や、時間というものの不思議さを感じてもらえるような作品を作っています。

また、映像を映し出すスクリーンには「紗幕」という半透明の特殊なスクリーンを使っています。紗幕の持つ「景色の透過」や「映像の浮遊感」といった特性を利用して、幻想的でインタラクティブな空間作りにも力を入れて取り組んでいます。

作品について

 

「時間」について調べていると「重力が強いものの周りでは時間が遅く流れる」というものを見つけました。これは相対性理論といって、星の光なども重力の強い惑星の近くを通る時には時間が遅くなるようです。宇宙で光は秒速30万㎞の速さで進んでいますが、これは光を宇宙で見ているとそうなるのであって、地球から見るともっと遅く見えます。これが時間の相対性だそうです。難しい。

こんな難しい関係を「簡単に・楽しく」体感できて、「時間」というものの捉え方を広げられるようなインタラクティブな作品を作りたいと思い、「光たちの時間」を考えました。テーブル上のオブジェクトをUSBカメラで読み取り、スクリーン上に星を出現させるとそれが光線を放ちます。その光が進む間に惑星の近くを通ると、その惑星の重力により光線の進むスピードが遅くなります。自分が生み出した光たちがどのような時間を進んでいくのかを、紗幕に映し出された映像と、透過した光による幻想的な空間の中で体感することができる作品です。

プロセス

FACE始動

はじめまして。FACEです。メンバー3人のスマホケースがi○Faceだったことから決めたこのチーム名でこれから作品を作っていきます。どんなことをしようかと考えていたら、書いていた図が顔のようになりました。(2017.11.28)

展示会場の見学

展示会場である大崎市の市民ギャラリー「緒絶の館」に展示場所を決めるための下見に伺いました。展示スペースの中でも特徴的であった、壁が緩やかに曲がった部屋の角の部分にしました。この空間を活かせるようなものを作ります。(2017.12.05)

内容を詰める作業

自分の中にあるイメージを全員と共有させるのが大変でした。また時間をどう盛り込むかに悩み、なかなか進まず一番時間がかかってしまいました。作品のテーマは「光」に決定しました。光たちが見せてくれる時間の相対性を、空間を通して体験できるようにするため、映像を投影するスクリーンには紗幕を使うことにしました。(2017.12.12-2018.01.12)

映像投影の実験①

「光を使った想像世界の相対性理論」というファンタジックな空間を作り出すために、紗幕1枚を「くの字」にした形で映像を投影することにしました。どのようにして映したら良いのか、ミニチュアモデルなどを使い実験しました。プロジェクターは1台にして投影するのですが、「くの字」が非常にくせ者です。(2018.01.23)

紗幕(寒冷紗)の購入

紗幕を使うと決まったからには早速購入!と思って調べると非常に高価なものであることが発覚。持っていそうな先生に聞いたり、看護学部に使い古していらないシーツはないかと聞くも学内にはなく、代用品はないか調べるとなんと寒冷紗が使えるとのこと。急いでホームセンターの園芸売り場に行き寒冷紗を入手しました。今日からこれを紗幕と呼びます。(2018.01.24)

映像投影の実験②

紗幕に映像を映してみました。ものすごく綺麗でした。これが農作業に使われている「虫・日差し・寒さ」を防ぐあの寒冷紗だとは思えないほどの幻想的な世界を映し出していました。紗幕の向こう側が透けて見えることで、映像に浮遊感と立体感が出ています。また紗幕に触り、映像を歪ませても楽しいことを発見したので、展示の仕方に取り入れたいと思います。(2018.01.25)

USBカメラの実験①

制作当初はKinectを使う予定でしたが、より良い方法を考えた結果、USBカメラに変更しました。これを使ってマーカーの座標などを検出する試作実験をしています。openFrameworksと繋いで動作確認もしています。あとはどのように設置すれば良いのかを検討中。(2018.01.29)

openFrameworks①

プロジェクターに投影する映像の原型となるプログラムをopenFrameworksで作りました。鹿野先生にかなり協力してもらい、理想の動きに近づけることができました。これを元にして光の表現や、動作の細かい部分を作っていきます。(2018.01.29)

メンバー

大沼ひなの

宮城大学事業構想学部デザイン情報学科3年

会場・USBカメラ担当。

この作品でKinectを使う部分全般を担当している。もしも星になれるなら、誰かにとっての一番星になりたい。

小林真由

宮城大学事業構想学部デザイン情報学科3年

Web・映像担当。

この作品で映像投影や素材作りを担当している。もしも星になれるなら、素早く流れ去りたい。

鈴木ちひろ

宮城大学事業構想学部デザイン情報学科3年

ポスター・素材作り担当。

この作品でオブジェクトのデザインを担当している。もしも星になれるなら、一等級の光を輝き放ちたい。

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