Theme

テーマの設定

私たちは「ものへのいのり」に着目しました。

人間の形を模していることが多く、姿のわからない神という存在への
崇拝、信仰、いのりを捧げる行為を、
なぜものに対し行なっていたのか、興味を持ったからです。

ものと人のかかわりの歴史を見たとき、
神格化の背景にはそのものへの感謝があることがわかりました 。

周りを見渡すと、いのりのかたちは
私たちの身近なところに潜んでいるのかもしれません。

それぞれにとってのいのりのかたち、いのりの存在について
考えるきっかけになったらと思います。

  ものにいのりをたくす  – 神格化 –

神格化とは、自然物や現象、生物など、具体的な事物を神とみなすことを指します。
日本では八百万の神々という考え方があるように、この世のすべてのものには神が宿るという意識が持たれています。狼のように畑を荒らす動物を追い払う動物や、鯨のように人々に恵みをもたらす生き物もまた、山や海といった自然の神々の使いや、その変化した姿として信仰の対象となることがありました。
人は様々なものから恩恵や利益を得ており、それに対する感謝や追悼の気持ちを、建築物や行事で形に表かたちにしてきました。
いのりとは、このように人が物に対して抱いてきた心が転じたものと言えるのではないしょうか。

Work

作品の内容

鯨へのいのりをたどるウェブサイト

信仰や感謝の形について考えるきっかけのひとつとして、「鯨供養」をテーマに取り上げ、作品を制作しました。

※読み込みには時間がかかる場合があります。

私たちは、信仰や感謝の形について少しでも考えてもらう機会を作るため、鯨を対象としたいのりに関するウェブサイトを制作しました。
主なターゲットは私たちと同年代で若く、インターネットをよく使用する人たちに設定し、ウェブサイトという形にすることで、日常的にインターネット上で情報を得る若者に見てもらえて、印象付けることが出来ると考えました。
制作したウェブサイトは横スクロールで絵巻物をモチーフにデザインしています。
流れは、鯨と人との関わりを時系列順に説明し、最終的にウェブサイト上で鯨を供養し、いのりや感謝をかたちにする場を設けました。
一連の流れを体験することで、いのりについて少しでも考えてもらうことが最終目的になっています。

なぜ絵巻で表現するのか

私たちが制作したウェブサイトでは、横スクロールで進む絵巻物のような表現方法を採用しています。
絵巻物は、右から左へと少しずつ目を移して見ていくため物語性があり、画面に時間的・空間的な展開が生まれます。
また、絵巻の連続的な構図は時間的に発展する事柄を描くのに適しています。ウェブサイトでは人と鯨のかかわりが時系列順に説明されているため、全ての時代を物語のようにまとまりを持って見てもらうことができると考えました。

表現の工夫について

「絵巻物」という表現方法を選んだので、全体の雰囲気を和風にまとめました。
また、イラストは彩度を抑え、手書き風の線を用いることで温かさも感じられるように工夫しました。
主役である鯨にはアニメーションをつけ、画面内で存在感が出るようにしました。
また、クリック出来るオブジェクトには「クリックできる」ということがわかりやすいようにピンを付け、そのオブジェクトをクリックした後に補足情報とアニメーションが記載されています。
インフォグラフィクスアニメーションを使用したことで、次のアニメーションはどんなものなのか、と興味を持ってもらい、最後まで楽しんでもらえるように工夫しました。

現地での調査

今回、鯨に対するいのりをテーマにウェブサイトを制作するにあたり、捕鯨の町として栄えてきた宮城県の牡鹿半島の先端に位置する鮎川浜にある観光拠点施設「ホエールタウンおしか」に足を運びました。
施設内には、鯨の生態や牡鹿半島の捕鯨文化と歴史などを学ぶことができる「おしかホエールランド」が併設され、捕鯨の町の人々がどのように鯨と関わってきたのか、捕鯨文化はどのように発展してきたのかなどを知ることが出来ました。

Creator

molo

文献調査/コピーライティング        大木海裕

イラストデザイン/アニメーションデザイン  鈴木七奈

現地調査/文献調査             原 穂佳

コーディング/ウェブデザイン        港 加帆

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